同軸ケーブルとは、2本の同心円状の導体を持ち、導体とシールド層が同一軸上にあるケーブルを指す。最も一般的な同軸ケーブルは、銅線の導体を絶縁体で分離し、その外側にリング状の導体とその絶縁体を重ね、さらにPVCやテフロンなどのシースでケーブル全体を包んで構成されている。良好な抗干渉能力、安定したデータ伝送と低価格が特徴で、CCTVラインなどにも広く使用されている。同軸細径ケーブルの市場価格は1mあたり数元が一般的で、それほど高くはない。同軸ケーブルは、BNCヘッドと接続するために使用される。市場で販売されている同軸ケーブルは、一般的にBNCヘッドと接続された完成品であり、そのまま使用することができる。
しかし、同軸ケーブル自体の特性を分析すると、同軸ケーブルで信号を伝送する際の減衰は、伝送距離と信号自体の周波数が関係する。一般に、信号の周波数が高くなるほど、減衰量は大きくなる。映像信号の帯域幅は6MHzに達する非常に大きなもので、映像のカラー部分は高い周波数で変調されている。このように、映像信号を同軸ケーブルで伝送すると、信号全体の振幅が減衰するだけでなく、周波数成分ごとの減衰量も大きく異なる。特に、色の部分が最も減衰します。そのため、同軸ケーブルは近距離の画像信号の伝送にしか適していない。伝送距離が200m程度になると、画質が著しく低下し、特に色が薄くなり、歪みが感じられるようになる。
技術的には、伝送距離を長くするために、同軸アンプを使用する。同軸増幅器は、映像信号をある程度増幅することができ、また、イコライズ調整により大きさの異なる周波数成分を補正することができるため、受信側が出力する映像信号の歪みを最小限に抑えることができる。しかし、同軸増幅器は無限にカスケード接続することができない。一般に、ポイント・ツー・ポイントのシステムでは、せいぜい2〜3台の同軸アンプをカスケード接続するのが関の山である。そうでないと、映像の伝送品質が保証できないし、調整も難しい。そのため、監視システムで同軸ケーブルを使用する場合、より良い画質を確保するために、伝送距離は一般的に4〜500m程度に制限されている。
また、監視システムにおいて同軸ケーブルによる画像信号の伝送には、いくつかのデメリットがある。
1) 同軸ケーブル自体が気候変動の影響を大きく受け、画質にある程度の影響を受ける。
2) 同軸ケーブルは太く、集中監視用途では配線が不便である。
3) 同軸ケーブルは一般的に映像信号しか伝送できない。制御データや音声信号などを同時に伝送する必要がある場合は、別途配線が必要となる。
4) 同軸ケーブルの耐干渉性には限界があり、強い干渉環境では使用できない。
5) 同軸アンプは調整が難しいという欠点もある。